【ビジネス】日本の高度経済成長の原因〜朝鮮戦争の特需〜

現在、失われた30年と言われている。
そして、日本社会には過去の検証を極度に嫌う風潮があり、これが改革の大きな障壁となっている。
私たちは戦後の高度成長について、もう一度、ゼロから見つめ直す必要があるだろう。

日本が戦後、驚異的な経済成長を実現した。
その高い産業競争力を獲得できたのは、日本人が努力を積み重ねたことはもちろん、政府の産業政策が大きな成果を上げたというのが通説となっている。
だが、この話は少々疑ってかかったほうがよい。

日本が変わるきっかけになったのは間違いなく朝鮮戦争である。

米国は朝鮮半島に大量の物資を供給する必要に迫られ、好むと好まざるとにかかわらず日本は米軍の後方支援拠点となった。
日本企業には空前の注文が殺到したが、特需のメリットはそれだけではない。
米国からのドルの支払いによって、原材料の輸入に欠かせない貴重な外貨を獲得できたことである。

日本は、大量生産を前提にした従来型産業を捨て去るタイミングをとっくの昔に迎えており、資本蓄積と1億人の消費市場を活用した知識経済への移行をもっと早く進めるべきだった。
ベストな時期は逃したが、まだチャンスはある。

この産業シフトを実現できれば、日本経済を次の成長フェーズに乗せることはそれほど難しいことではない。